デクスター・ゴードンは40年代にニューヨークに進出し、ビバップ台頭に
揺れるイースト・コーストのジャズ・シーンに身を投じた。
それからは東西を股にかけての大活躍が続いたが、50年代半ばの
ハードバップ黎明期には麻薬禍により、シーンから姿を消していた。
デクスター・ゴードンはロサンゼルスの出身。それを念頭に、改めて
彼の初期のアルバムを眺めると、確かにLA録音は多い。
ジャズランド唯一のリーダー作も故郷のロサンゼルスで録音されたものだ。
フロント・ラインはちょっと弱いが、マラブル、コーカーという、当時、西海岸で
プレイしていた実力派が参加しているのが聴きどころ。
それに何より3管の厚めの音からすっくと顔を覗かせるデクスター・ゴードンの
テナーサックスにしびれる。
デクスター・ゴードンはこれをジャズ界復帰の足がかりとし
翌年には専属となり、朗々とサックスを吹き続けた。
だが、1963年にふらりと思いついたかのようにパリに渡り
それ以後、活動の拠点をヨーロッパに置く事になった。
デクスター・ゴードンが本国のジャズ・シーンに再びその雄姿を見せたのは
ビバップ・リヴァイヴァルが叫ばれ始めた1976年の事だった。
ザ・リサージェンス・オブ・デクスター・ゴードン/デクスター・ゴードン
THE RESURGENCE OF DEXTER GORDON / DEXTER GORDON
ザ・リサージェンス・オブ・デクスター・ゴードン/デクスター・ゴードン に加筆・修正を加え転載。
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